あーもーっ!!何やってんだよあいつら!! 雪合戦カーラ視点 これで残ってるのはボクと響の二人だけ。べっつにそんなことは問題じゃないけど、向こうは楽羅と月留の二人がいて―――――追い詰められているんだと錯覚して沸く焦燥感が更に苛立ちを増長させる。 「何さっきからその明らかに手加減してるとしか思えない投げ方!!!バカにしてるわけ!?」 「ははは、なんだ、バレてたか?」 「バレてるに決まってんじゃんか!!!」 何、つまりボクは…響っておまけも含めてすら、本気にするまでも無い相手だって言いたいわけ!? 「あ、やっぱ避けられた。やっほ〜楽羅っち〜お助けに来たよー」 「来たよー!!」 月留と――――響の方には、瑠華。 「あーほらカーラ、せっかくの雪合戦なんだからそんな険しい顔しなさんなって」 「そりゃーあんたたちは楽しいだろうねっ!!」 「うん!楽しいよー!!」 「ウザ」 「あぁ!!カーラ酷い!!」 嫌味だってコトが理解できなかったらしい瑠華が何がそんなに嬉しいのか理解不明な笑顔で言葉を返したのに思わず顔を歪める。 『あーっと!!カーラ、楽羅っちと月留相手に防戦一方!!』 『対して響君と瑠華は雪玉を投げあい激戦を繰り広げています!!かわいいです!!』 『…』 舌打ちして月留が投げた雪玉を避ける。 「なぁカーラ。」 「何ッ?!!!」 苛立ちのまま、かけられた声に其方を振り向きもせず噛み付くみたいに応じる。 「力、使ってもいいんだぞ?」 思わず、凍りついた思考と連動して動きが止まる。 「最初と、ダードの攻撃を相殺させるとき以外、使ってないだろ?」 何かを言おうと口を開いて、だけどなんて言えばいいのか判らなくて言葉にならない。 「ぁ……つ、使うまでもないじゃん!!たかが、雪合戦なんかで…っ」 「怖いの?」 「っ!?」 寒さが原因ではなく震える声に、静かな声が上乗せられて息を飲む。 「私達に、怪我、させたくないんだよね。」 「そ、んな…んじゃ…」 別に、そう、別に、そんなんじゃない。 こいつらを―――――傷つけるのが、怖いんだ。 なんでか、なんて知らない。考えたくない。 「カーラ」 びくりと一度大きく体が震えて、震えが止まる。 「大丈夫だぞ。」 振り返れば、いつもの、微笑。 「俺たちは壊れない。」 なんで、 「思いっきりやっていーよ、カーラ。どーんと受け止めたげるからさ。」 遠慮なんかしないでよ。笑いながら言われて、どうすればいいのかわからなくなる。 「死…んだら、ど、すんのさ」 「死なないよ。」 「でも、加減とか…っ」 「これから覚えればいいだろう?」 わからない。わからないわからないそんなのわからない。 「「カーラ」」 名前を、呼ばれる。 「「一緒に遊ぼう」」 イントネーションの違うだけど同じ言葉。 わからない。 「う――――――ぁ、あ、あ…」 混乱する思考。答えの出ない迷走。湧き上がる律動。焼け付くような衝動。 「ぃ、やだ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだ――――っ!!!!!!」 囁きを打ち消すように叫ぶ。 衝動が鼓動のように強くなる。目の前が赤く染まる。 「う、ぁ、あ・あ゛・あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああ―――――っ!!!!!」 咆哮と同時に、 ********** |
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