創造主がいきなり始めよった雪合戦もどき。
 ルーンが敵て…ありえへんやろ…;

 

 

雪合戦ダード視点

 

 

「さて、どうするかな」

 

 危機感が無いんか作戦でもあんのか、どっか楽しげに呟いた楽羅の言葉に俺らは目を向けた。
 図体の割りにのほほんとした男やけど…実は結構頭が切れんのは『天支』におる皆が知っとることで、しかも何やしらんが人纏めんのが上手い。
 ま、ここはコイツに面倒くさいリーダー役やってもらおか。

 

「なんかエエ考え無いんか? 作戦立てんで勝てるような相手やないで。」

「ルーンとカーラがいるからなぁ」

 

 …ほんまに大丈夫かいな。のんびりし過ぎやろこいつ。
 つぅても俺は参謀とか向いてへんしなぁ…。
他のメンバー言ぅたらお騒がせ娘の一人の月留とESP持ってる瑠華言ぅガキと茜言ぅほよよんとした女の子…戦力なりそうなんは月留ぐらいやないか。
…大丈夫かいなこのチーム、メイド服なんて俺は着たないで。

 

「まずはあの主戦力二人をなんとかしたいんだが…それは向こうにも読まれてるだろうしな。」

「夜独兄も響も強いよ。」

「翠も強いなぁ〜」

「つぅかあちらさんは全員戦闘員やないか、ごっつ不利やろこっち。」

 

 瑠華は戦闘経験浅いし、茜は極度の運動音痴。対して夜独はそこそこ場数踏んどるし戦闘に関しては冷静やし、響かてやたら素早い。
 しかもルーンとカーラ、それに翠は大規模な攻撃魔法使えるし……不利過ぎて泣けてくるわ。ほんまにあいつらちゃんと雪球使って攻撃してくんねんやろなぁ。
 根本的なことで顔を顰めさせてると、楽羅が「よし」とか呟いた。
 なんや、なんか策でも考えついたんか?

 

「そうだな…それじゃあ、茜」

「ふに?」

「カーラの方を任せていいか?」

「ほえ?」

「はあ!?」

 

 って、いきなし何言い出すねんコイツ。茜をカーラになんか付けたら、へたすりゃ殺されんで。正気の沙汰とは思われへん。
 やのに茜は「了解や。がんばんで〜」なんて言うて腕振り回してるし…
 俺の不安が伝わったんか、それまで頭の後ろで腕組んで様子見とった月留が苦笑した。

 

「カーラの足止めするには最適だと思うよ? ほら、カーラって茜にだけは甘いじゃん。」

 

 ………あー…言われてみればそーやった気も…

 

「そやかて…万が一いうこともあるやろ。」

「無い無い。ほら、カーラって力のコントロールできないっしょ?」

「あ?そやから、危ないんやろ。」

「逆だよ。力のコントロールが出来ないから、茜に怪我させたくなければカーラは一切攻撃できないっしょ?」

「あぁ」

 

 なるほど。それなら茜は安全やし、カーラも無力化できる言うわけか。なんやえげつない作戦やなぁ…。
 ま、勝ちゃええか。

 

「瑠華はルーンを頼む。月留はそのサポートを頼めるか?」

「りょーかい。で、楽羅っちは響に付くんだね?」

「あぁ。」

「っちゅーことは、俺は夜独担当か」

「そういうことになる。頼めるか?」

 

 さっきも言うたが、夜独はそこそこ場数踏んどるし戦闘に関しては冷静や。手強い相手やろう。
 けど、所詮人間や。
 星が生まれる前から存在して、いっつも争いの渦中に送られとった俺から見れば、やっぱガキやし、指先一つで磨り潰せる程度の存在でしかあらへん。
 つぅても…

 

 がし、と、頭掻きながら思う。

 

 それは…殺し合いでの話しや。
 こういう遊びは…正直苦手やねんけどなぁ…俺。
 ま、ボチボチやるしかあらへんか。メイド服は嫌やし。

 

「了解。」

 

 片手挙げて答えながら、あちらも作戦会議終わったらしい赤組に視線を向ける。
 ルーンの目ェが輝いて見えんのは…気のせいとちゃうんやろうなぁ…。
 やる前からどっと疲れた気ぃして、俺は嫌味なくらいに真っ青な空に白い息を吐きつけた。

 

 

 あぁほんま、ムーンおったらもうちょいヤル気出んねんけど。

 

 

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