雪合戦、というものは初めて経験するが、漂うこの緊迫感は馴染み深くて心地よいものだ。 雪合戦翠視点 「じゃ、私が吹雪舞で吹雪起こすからさ、それで一網打尽ね!」 「はぁ? 何言ってるわけそれじゃーボクが力使えないじゃん風具現化して雪球当てるからあんたは後ろで見てれば〜?」 「え〜私だって魔法使いたいもーん。ってわけでじゃあ私とカーラが魔法とか使って早々に終了、本拠地戻って楽羅っちお手製のおしるこ食べてあったまりましょ。」 「それじゃあさっさとやんない? あっちはま〜だ無駄な作戦会議してるみたいだしぃ。」 その言葉に視線を向ければなるほど、岩陰で集まり、楽羅を中心に話し合っているのが見える。 頭の後ろに腕を組み、立っていた月留がこちらを向いた。 体が突然重くなり、体感温度が数度下がる。 ―――――――『動けば潰す』――――――― 声なき声が耳元で聞こえ、首裏を嫌な汗が流れたとき月留は視線をそらしダードの方を向いた。 気づかれている。こちらの行動など。全て読まれている。 「どうやら、不意打ちは不可能なようだ。」 「ふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……なるほどねぇ、本気ってわけ。いぃいじゃない。この天才美少女魔導師ルーンちゃんが受けてたってやろうじゃぁあぁありませんか。」 夜独の呟きに、地獄の底の底なし沼の深くから響いてくるような声でルーンが笑い、カーラが不気味なものを見る目で一歩彼女から距離をとる。 闘争心を燃やし、感情の昂ぶりに魔力が火花を散らすルーンを見て、月留がしているように頭の後ろで腕を組んで様子を見ていた響がボソリと呟く。 「これって作戦会議?」 それは確かに謎だと思った。 ****** |
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