いっぱい雪積もって、全部銀色で綺麗で、わぁ〜って思っとったら雪合戦すんねんて。 雪合戦茜視点 「それじゃあ、頼んだぞ、茜。」 楽羅に言われて、私はうなずく。 それは、私が足手まといやから役に立つ言うこと。 ホンマ言うと、ちょっと…ちょみぃっとだけな、胸が痛かったんやけど。 『さて、実況は私、寿桜花と』 『…』 『…えぇと、朱禍がお送りします;』 『私もいるよん☆ 明城桃華ちゃんでっす♪ ねぇねぇ!華の三人組よねこれって!!』 『…煩い』 『あははは;』 楽しそうやなぁ…♪ 『おおっとぉ!?ここで両チーム動き出したぁあ!!ルーンが詠唱を開始し、カーラが風を具現化し始めます!』 桃華の実況に、楽羅が楽しそうに笑う。 「行って来い、茜。」 優しく。けど強く。 「任せた」 共犯者に向けるみたいな、けどお母さんが子供を送り出すみたいな。 「うん!任されたでぇ」 私は笑って駆け出した。 「ばっ!!走ったらっ」 ほえ? べしゃっ 『おーっと、茜選手走り出したと思ったら転びました!5Mも進んでおりません!』 「あぅっ」 「っっあんた歩いてもコケるんだから走ったら確実に転ぶってこと解ってんでしょいい加減学習すれば!?バカはバカなりにもーちょっと学習しなよねバッッカじゃないのッ!!?」 あうぅぅぅううう…また怒られてもぅた…; …に?なんでバカ言うたらバカなってまうんやろう。 可笑しい、変やで。バカ言うたらバカになってまうん?バカって感染るのやろか。 そもそも、バカて何や? 「〜〜〜〜っっんの、バカ!!さっさと顔上げろよ凍傷にでもなりたいわけ!?ちょっと楽羅も何放置してるのささっさと起こせよそれ!!って」 『おおっとぉ!?茜を残して白組全員いつの間にやら赤組の陣地へ距離を詰めている!!まさかそういう作戦かぁ!?』 『ルーンさんが慌てて詠唱を中断し、炎の矢で牽制します!!ですがことごとく避けられる―――――っ!!』 「ちょ、あんたらあれ放っとく気なわけ!?」 「あはははは、まぁ、茜なら大丈夫だろ」 「茜だから大丈夫じゃないんでしょバッカじゃないの?! 頭の中身どっかに忘れてきたわけ!?」 あー…あかん。ほっぺた冷たくてジンジンする… 『おっと茜選手、セーターに雪がまとわり付いて起き上がれない模様!!』 『手足をバタつかせています!!ちょ、大変、あのままだと本当に凍傷起こすんじゃっ!!』 「〜〜〜〜っっの、バカッ」 『あ、カーラ選手が見かねて走り出しました!その間に瑠華選手、瞬間移動でルーン選手の背後へ!!ああ!!ルーンさんに雪玉が当たりました!!』 ほへぇ、もう雪球当てれたんや。すごいなぁ〜 『茜選手、雪から顔が上げられない!!このままだと窒息…っ』 『ちょ、まずいんじゃないですか!?茜っ!!』 桜花の声が遠い。 鉛みたいに重なった体が、 あり? 「こ、ん、の、バカッ!!」 「あ〜…かぁらや」 「セーターなんか着てくるからこーなるんだろ!?ってゆーかマフラーなんかする!?だから余計に首絞まってっ」 「ありがとぉなぁ」 嬉しいなぁ、カーラが私のこと心配して怒ってくれてる。 そう思たからそう言うたのに、カーラは顔真っ赤にして黙ってもぉた。 「かーら、真っ赤よ、上着貸そか?」 「っっっ///〜っんの、のほほん天然っ!!こっんな処で死に掛けといて他人の心配する!?あぁもーっ!!なんであのバカ女神もこんなのに茜巻き込んでるわけ楽羅もあっち行ってるし信っじらんないっ!!」 「にゅ?」 何で怒ってんねんやろ、雪合戦、嫌いなんかな? …あぁ、そっか。 「…」 おかしいなぁ、 悔しいな 「…?何し」 いきなり屈んだ私をカーラが見下ろしたとき、 べし。 「…」 「…」 それはカーラの胸のとこに当たって崩れて雪に戻って、 『カーラ選手、雪玉に当たりました!!』 『ナイスだ茜!!って、おや?二人とも固まっております動かなーい!!』 「…」 「…っ」 あ、 「っ、の、」 「あ、あははははははは?」 「さっさと退場しろこのバカ天然っ!!」 「うきゃうっ」 ばすばすばす 雪玉…ってゆーより、雪の塊?やろか?が三つ当たってもぉて、視界が歪む。 『ああっ!!茜選手無情にも三回当たって退場です!!』 『これでカーラを妨げるものは誰もいなく…え?!』 視界が戻って、桜花たちの横にいつの間にか座っとって。 「うわ?!」 「油断大敵、だな。」 ―――――――カーラの背後から雪玉をぶつける楽羅の姿。 「わぁ…!」 凄いなぁ、 「茜!!」 楽羅が、笑ってこっちを向いた。 「ほえ?」 「――よくやった!」 笑って、 あぁ、 楽羅も月留も、私のこと、足手まといやなんて思ってなかってんね。 「茜、凄いっ!!」 瑠華が嬉しそうに叫んでくれて、 「うんっ!!」 私は大きく頷いた。 ******* |
余ってなんかいられない⇒ |