「よくもまぁ、こんだけ集めたもんだぜ」
岩の『
「よくもまぁ、こんだけ集めたもんだぜ」 岩の『 |
作戦変更 |
『 「おい!今で何色集めた?」 「赤と灰色と白と緑と青と赤茶色だ。」 「浅葱色のこれはまだか?」 「まだだな。」 夜独がそれぞれ瓶に詰めた『 「……色とか関係あんのか?」 「知るか。技術開発の連中に聞け。」 「てか今ので何体目だ?」 「四十七体目だ。」 レイスレットの問いに夜独は面倒臭いと全身で訴えながら、翠は変わらぬ完結さで答えた。翠はどうやら全員が倒した『 もう少しで五十体。強い相手と戦うのであれば楽しめるが、知能も無いただ突っ込んでくるだけの『 ≪ケケッ、またぞろ出てきたぜ≫ 唯一傍観の体制をとっている魔王の言葉に奥を見れば、そこには再び通路を埋め尽くすほどの岩や砂や泥の『 「……鬱陶しい……」 「まったくだぜ」 「これも任務だ。我慢しろ。」 夜独が呟きレイスレットが同意し翠が嗜める。だがいい加減辟易しているのは皆同じ。 「―――――――よし、今集めた『 突然、夜独が誰にとも無く告げた。それにレイスレットが片眉を跳ね上げ疑問を表しつつも頷く。 「あ?そうだが……」 「今回回収できた『 確かめるような、というよりは決め付けるようなその断定口調に、しかし意味を悟りレイスレットと翠は顔を見合わせ――――――それぞれ冷ややかに口の端を持ち上げる。 「あぁ、そうそう。今回回収できたのはこの七色だけだぜ。」 「同意だ。」 ≪ケケケケッ、女神の逆鱗に触れなけりゃいいがなぁ≫ つまり、このまま一体一体確認しつつ倒していくのは止めだという意味だ。楽しんでいるとしか思えない魔王の言葉に、夜独は薄く笑う。 「怒られやしないさ。この七色しか回収 言ってその右手を無造作に向かい来る『 途端、まるで見えないローラーで踏み潰されていくかのように夜独に近い『 魔王ルシフェルと契約することで得た異能の力。土星を司るサタンでもあるルシフェルの能力の一つ。重力操作だ。彼のように重力を打ち消したり弱めたりは出来ないが、こうして特定の区域に重力場を発生させることはできる。 その圧倒的な力を見てレイスレットは囃すように口笛を吹き、翠はほう、と感心の息を吐く。だがそれに夜独は眉一つ動かさなかった。 何故なら彼は自覚しているからだ。それが自分の力ではなく、魔王ルシフェルに与えられている力であると。変なところで細かい彼は、だからその力を誇示することも、それに驕ることもした事は無かった。 瞬く間にその一群を退治し終えた夜独は、やはり無造作に背を向けると二人と魔王に向き直る。 「今から別行動をとろう。その方が『 「 「承知した。」 頷き、三人は別々の方向へと足を向けたのだった。 |
執筆:2006/09/19 |